第2章 対応の話 第1節 認知低下、どう対処したらよいのかの秘訣 3項・不眠への対応
        入眠できない場合は生活リズム形成を。 
        一つ目は、入眠できない場合です。夜22時を回っても目が閉じず、起きてられてこれ以上入眠が遅くなると生活リズムが崩れてしまう場合、この場合は生活リズムの形成と維持をすることが目標となります。
         
		
        室温を適温にして、排泄のリズムの調整を 
        二つ目は、夜中に途中覚醒される場合があります。これは睡眠の持続ができにくい場合になります。
         
		
        早朝覚醒は様子見を。一日の睡眠量でみてください 
        三つ目は、早朝覚醒と言われる朝早く目が覚めてそのまま朝を迎える場合です。特に高齢者では、生理的に早い時間に覚醒するようになりますので、少しの時間であれば問題にせず、潔く諦めて昼寝などして一日としての睡眠量があれば良しとすることで、細かく問題にする必要はないと考えます。逆に神経質になり過ぎて更に眠れなくしてしまう場合もあります。
         
		
        しっかり睡眠時間がとれているのに熟睡感が感じられない場合 
        四つ目は、十分な時間眠っているが熟睡感が感じられない場合です。この時は、睡眠開始と目覚める時間を聞いて、寝ているから大丈夫ですよと安心感を与えるように説明することも良いでしょう。
         
		
        先ずは理由や原因を聞いて対応してあげてください 
        細かく分けられない睡眠の問題では、どうしたのか尋ねて、起きてられる理由や原因を先ずは理解することに努めましょう。
        よくあるケースは、トイレと空腹、そして時間が分からず昼間と思っておられる事が多いです。このような時には、尋ねる際にお腹が空いていないかを聞いて、空いておられるなら、軽食を進めて食べて頂いてから睡眠に誘導しましょう。
         
			
			
			
			
			
			
占部 新治(うらべ しんじ) 
  経歴 
  
    
1976年 北海道大学 医学部 医学科卒業 
1980年 北海道大学 大学院 医学研究科生理系修了 医学博士 
1980年 北海道大学 大学院 医学研究科生理系修了 医学博士 
1981年 北海道大学 医療技術短期大学部 理学療法学科 助教授 
1995年 札幌医科大学 精神医学講座 講師 外来医長 
1999年 札幌医科大学 保健医療学部 作業療法学科 教授 
2001年 札幌医科大学 大学院 保健医療科学研究院 教授 
2007年 北海道大学 大学院 保健科学研究院 教授 
2011年 京都 三幸会 北山病院 副院長 
2013年 京都 三幸会 第二北山病院 副院長 現在に至る 
     
 
  専攻領域 
  精神医学、 神経科学、 リハビリテーション医学 
  主な著訳書 
  日経サイエンス「 運動の脳内機構」 E.V.Everts著 
  主な著書 
  臨床精神医学講座 S9 アルツハイマー病(中山書店)、精神医学 標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野(医学書院)、「学生のための精神医学」(医歯薬出版) 
  所属学会 
  
    
精神神経学会 専門医、専門指導医 
老年精神医学会専門医、専門指導医 
認知症学会専門医、指導医 
リハビリテーション医学会 臨床認定医 
     
 
 
 
 
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